子どもが「か行」を正しく発音できないときの原因と家庭でできる改善方法【言語聴覚士が解説】

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お子さんが「かきくけこ」をうまく発音できず、「たちつてと」や「あいうえお」に聞こえることはありませんか?例えば、「かみ」を「み」、「たいこ」を「たい」などです。いつになったらうまく言えるようになるのかしら?このまま様子をみて大丈夫なのかな、と心配になりますよね。

このような発音の誤りは、成長の過程で自然に改善されることもありますが、場合によっては専門的なサポートが必要になることもあります。

この記事では、子どもの「か行」の発音に関する問題とその対処法について、言語聴覚士の視点からわかりやすく解説します。

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「か行」の発音ができるようになる年齢の目安

一般的に、「か行」の音は舌の奥を使って発音するため、3歳から4歳頃に習得されるます。

ただし、発音の発達には個人差が相当ありますので、5歳を過ぎても正確に発音できない場合は、一度、言語聴覚士に相談してみることをおすすめします。
 お住まいの地域によって、言語聴覚士に繋がるまでの流れは様々ですが、多くの場合、まずはお住いの地域の保健センターの保健師さんに相談してみてください。保健師さんが言語聴覚士に見てもらえるよう言語発達相談の予約や言語聴覚士のいる病院を紹介してくれます。
 発音の問題は、多くの場合、適切な時期に適切な指導を受ければ、改善しますので、心配しすぎず対応していきましょう。

「か行」がうまく発音できない原因とその特徴

1. 「か行」が「た行」に置き換わる場合

お子さんが「か行」の音を「た行」に置き換えて発音することがあります。これは、舌の先に力が入りすぎているために起こる現象です。

  • 「かめ」→「ため」
  • 「とけい」→「とてい」

成長とともに自然に改善されることがほとんどですが、4歳を過ぎても改善が見られない場合は、発音訓練が必要になることがあります。発音の訓練についてはのちほど。

2. 「か行」が母音のみに聞こえる場合

「か行」の子音が省略され、母音のみが聞こえることがあります。

  • 「かめ」→「あめ」
  • 「とけい」→「とえい」

このような場合、喉の奥で発音している可能性があり、自然に治りにくいことがあります。この場合は、自然には治らない可能性が高いので、自然に改善するのを待たず、4歳を過ぎた頃には言語聴覚士に相談することをお勧めします。

家庭でできる「か行」の発音練習法

舌の奥を持ち上げる練習

「か行」の発音には、舌の奥の動きがとても重要です。以下の練習をしてみましょう。

  1. 口を開けて「あー」と声を出します。
  2. 1のままの口の形で「んー」と声を出します。
    ※この「んー」のときの舌の位置がカ行の/k/の位置となります!
  3. 「んー」「んー」「んー」と続けて発音してみましょう。
  4. 3ができるようになったら、「んーあー」「んーあー」
  5. 「んあー」「んあー」、「んがー」
    ※徐々に「ん」を短くして、「あ」を「が」に変えていきます。

「がらがらうがい」の練習

 うがいの中でも「がらがらうがい」をするときはは、「カ行」を発音するときの舌と同じ形の舌になるので、「がらがらうがい」はとってもおすすめです。
 「がらがらうがい」をすることで、舌の奥の筋肉を鍛えることができます。帰宅後にこの「がらがらうがい」をすることがおすすめですが、なかなか時間が取れないと思いますので、お風呂タイムなど、リラックスした時間に楽しく取り入れてみてください。
 「がらがらうがい」ができるようになると、「カ行」の発音が改善してくることがあります。

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言語聴覚士への相談のタイミング

4歳をすぎてもカ行がア行に置き換わっている、5歳を過ぎても「か行」の発音に改善が見られない場合は、言語聴覚士などの専門家に相談することをおすすめします。

発音の問題は、適切な時期に適切な方法で行うことで、改善が期待できますので、言語聴覚士にお子さんの発音状態を確認してもらい、発音練習の必要性の有無や発音練習を開始する適切な時期を相談してみましょう。

言語聴覚士に相談しよう!

言語聴覚士に子どもの発音を診てもらいたいけれど、言語聴覚士ってどこに行ったら会えるのかしら?と思った方もいるかも知れません。

案外身近にいるのですが、まだまだマイナーな業界なので、リハビリ職の中でも少数派なのです。

多くの場合、以下の順に可能性の高いところから、連絡してみましょう。
お住まいの地域ごとに、対応方法が全くことなります。

・地域の保健センターの保健師に「発音が気になるので相談したい」と連絡してみましょう
 保健師さんとの相談後、言語聴覚士の相談日を紹介してもらえます

・お住まいの地域に療育センターや発達支援センターがあれば、「発音が気になるので相談したい」と連絡してみましょう
 療育センターや発達支援センターには言語聴覚士が常駐していることが多いです。

・かかりつけの子どもクリニック等の医師に、発音について相談してみましょう。言語聴覚士につながる紹介先を教えてくれると思います。

・お住まいの地域に言語聴覚士のいる病院がないか、調べてみましょう。個人のクリニックにはいませんので、地域の2次救急病院には言語聴覚士がいることが多いです。子どもの発音の訓練をしてくれるところもあります。

・3歳半健診にて、このままの状態を「いつまで様子をみて」「いつ相談したらいいのか」「どこに相談したらいいのか」を聞いておくこともおすすめです。

まとめ

  • 「か行」は3~4歳で習得される音。
  • 「た行」への置き換えや、母音化、歪みなどの誤りが見られることがある。
  • 家庭でできる練習法もぜひ試していただきたいのですが、4〜5歳以降も改善が見られないときは言語聴覚士に相談してください。
  • できれば、幼児期(小学校入学前)のうちに改善させてあげたいです。小学校には発音の指導をしてくれる「ことばの教室」がありますが、授業を抜けていく、授業の後にいく、等かなりの負荷がかかります。

お子さんの発音に関するお悩みがある方は、ぜひ言語聴覚士に相談してください。
特にお子さん自身が発音を気にしている場合は、なるべく早く相談に行ってくださいね。

ABOUT ME
管理人(こん)
管理人(こん)
現役言語聴覚士(ST)
療育センターで10年以上小児専門の言語聴覚士(ST)として働いていました。現在は、フリーのSTとして児童発達支援分野で働いています。子育て中のママパパの力になれるよう、ことばがゆっくりなお子さん向けにことばの育ちを促す情報を発信していきます。おすすめの遊びや関わり方、おすすめの玩具、絵本などの具体的な使い方を紹介していきます。
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